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はなことば

第10章 Coreopsis《大学生》




あれからあっという間に
5日が過ぎた__


李杏「……唯音、起きて」

唯音「…んー……」

李杏「朝ごはん、唯音の係でしょー」

唯音「んー…」

李杏「もうっ!」



ダラダラしたり
海行ったり
BBQしたり

彼といると時の流れが早く感じる

一人でいた時は
一日がすごく長く長く感じた



李杏「…熱っ!!!」


フライパンに卵を落とすと
腕に油がはねた


唯音「えっ、ちょっと!!!」


起きてきた唯音が
慌てて駆け寄ってきた


李杏「熱っ……」

唯音「何してるんですか!」

李杏「目玉焼き…作ろうと」

唯音「慣れないことするから…ほら、見せて」


赤くなった腕の部分を
まじまじと見ると
冷凍庫から保冷剤を取り出した


李杏「…ごめん。」

唯音「いや……ごめん。」

李杏「なんで、唯音が謝るのよ…」

唯音「俺が……寝坊したから」

李杏「……それはそうだけど」


そっと患部にタオルでくるんだ保冷剤をあてる


唯音「…痛い?」

李杏「ううん。…大丈夫。」

唯音「大丈夫じゃないでしょ、赤いよ」


心配そうに私を見つめ、
優しい声で話しかけてくる彼_


こんな彼とも
もうあと少ししかいれない


こんな時間は
永久には続かない


李杏「…ねぇ…唯音、、」

唯音「ん?」







__ッ













唯音「え………( ⌓̈ )? 」

李杏「……」



わからない。

自分でもわからない。

気がつくと、彼にキスをしていた。



李杏「……ごめん。」

唯音「っ……謝るんだ……」

李杏「……友達だからとはいえ…いきなり…」

唯音「友達なら普通しないよ。」

李杏「っ……」

唯音「あっ、もしかして…好きになった?俺の事。」

李杏「…」

唯音「フッ…冗談です。
…平凡な大学生にこういうのはルール違反です。」

李杏「……」

唯音「はい、この話は終わり!
朝ごはん作りますね。
座って待っててください。」


彼は後ろから私の肩を持つと
椅子に座らせた




ルール違反_

確かにそうかもしれない。


それでも…あの時の私は__



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