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はなことば

第10章 Coreopsis《大学生》



数分間の沈黙の後
彼は口を開いた


唯音「…ねぇ、……李杏…?」

李杏「っ!
今……初めて李杏って…



__ッ



彼の方を見ると
いきなり唇を奪われた



李杏「……っ、
友達とは…しないんじゃなかったの?」

唯音「…今日までは友達…って言ってたけど
もう……友達はおしまいにする」

李杏「朝、、したら嫌がったくせに。」

唯音「嫌がってないよ。ただ…強がっただけ…
だって…朝のキス、なんか冷たかったから。」

李杏「冷たかった?……」

唯音「寂しさを…埋める?…みたいな。」

李杏「っ……」

唯音「でも……本当は嬉しかった。
李杏の寂しさを、孤独を…
少しでも埋められるなら…」

李杏「唯音……」

唯音「……友達だからとか、好きとか、、
もう…そういうの、どうでもいい。
寂しさを埋めるキスでも…なんでもいい。」

李杏「っ…」

唯音「…俺は…ただ、今の李杏としたい。
ただそれだけ…。だから、、
……嫌だったら…避けて?」



彼は私の両頬を手で包み込むと
ゆっくり近づいてくる

避けれる時間はあった

避けようと思えば、避けれるスピード



でも私は


李杏「ンッ……」












避けなかった



.



気がつくとキスを交わしながら涙がこぼれていた


何故だかわからない


居なくなってしまう彼を思ったのか

心を読まれたからなのか



ただ、唯音とのキスは

何かが通じあったかのように

心が暖かくなった



涙がこぼれるたびに

唯音はその涙を拭ってくれた







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