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はなことば

第11章 Tuberose《男子生徒》



翌日__


授業を終え、英語科室にいると
ある生徒が扉を叩いた


羽琉「どうぞ、」

佐々木「失礼します」

羽琉「佐々木さん、どうしたの?」

佐々木「あの…」

羽琉「ん?」

佐々木「昨日夜、、大丈夫でした?
誰かこの部屋にいた気がして…」

羽琉「へ?」

思わぬ問いに、声が裏がえる


佐々木「誰かがこの部屋に入っていくのが見えて」

羽琉「……っ、誰かって…誰かは分からなかった?」

佐々木「はい。でも、男子生徒でした。」

羽琉「え?」

佐々木「学校のジャージ着てたし、
背の高い男子生徒だったと思います。」

羽琉「そう……」


バレてるのではないか_
私は冷や汗をかき始めた



佐々木「……気をつけてください、先生」



この言葉が私には
" 気づいてますから…気をつけてください、先生 "
としか聞こえない__

目を泳がせながら
佐々木さんに言葉を返す


羽琉「そうね、何か盗まれたら大変。
きちんと鍵の管理をするわ。
……教えてくれてありがとう。」

頭をフル回転させ、そう返答した_



佐々木「そうですよ、先生。
テストの答案用紙とか盗まれたら
問題になっちゃいます!
私、先生大好きだから、辞められたら困ります。」

羽琉「あ、フフッ……ありがとう。」




純粋な高校生の気持ちだった

当たり前だ

私は何を勘違いしてるんだろう__



佐々木「それはそうと、、大野が」

羽琉「ん?」

佐々木「大野が、体調不良で保健室行きました」

羽琉「えっ、」

佐々木「なんか朝から頭痛いって言ってて。
今日の補習授業は欠席するそうです。」

羽琉「わかった。あとで、様子を見に行くわ。」

佐々木「はい。じゃぁ私そろそろ戻ります。」

羽琉「わざわざ、ありがとうね」

佐々木「いえ。失礼します。」




生きた心地がしなかった。
何もかもバレれば
私の人生が終わる



そして、彼の人生も終わらせてしまう……



このままこの関係を続けるのは__

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