
はなことば
第11章 Tuberose《男子生徒》
琉雅「ん。もう、いいや。」
半分くらい食べたところで
彼はスプーンを置いた
羽琉「…何かほかに食べたいものある?」
琉雅「ううん、大丈夫。」
羽琉「そう。また何か欲しいものあったら言って」
琉雅「なんかまた眠くなってきた」
羽琉「薬が効いてきたのかもね。
ゆっくり寝て。」
そういって立ち上がると
琉雅「待って、、」
羽琉「ん?」
琉雅「ここ居てよ…」
羽琉「いいけど…
いない方がよく寝れるんじゃない?」
琉雅「いいの。横にいて。」
羽琉「わかった…」
ベッド横の椅子に再び座ると
布団から手を出す彼。
琉雅「手、繋いでて…」
弱った彼の願いを
断ることは出来なかった
羽琉「……眠るまでよ」
彼の手を握ると
嬉しそうな顔をして目を瞑った
少しすると
彼は寝息を立て始めた
コンコン |ガラッ
羽琉「っ?」
長田「並木先生、」
社会科担当の長田先生__
慌てて、繋いでいた手を離した
羽琉「あ、長田先生っ!」
長田「大野は?」
羽琉「薬飲んで、今眠りました」
長田「このあと補習授業ですよね?
付き添い変わりますよ。」
羽琉「あ、はい。ありがとうございます。」
長田「あっ、夜中も僕が付き添いますよ。
男同士の方がいいと思うし。」
羽琉「あっ……いや、でも…」
長田「付き添いばかりで大変でしょう」
羽琉「……いや、大丈夫です!
担任の私がしっかり見ますから。」
長田「…あっ、わかりました。
じゃぁ戻るまで僕がしっかり見てますね。」
羽琉「はい、お願いします。」
補習授業のため、
1度彼のそばを離れることなった
授業が始まっても
彼のことが心配で
なかなか集中が出来なかった
