はなことば
第4章 Chocolate cosmos《元カレ》
あれから少し経ったが
全く寝付けない。
シャワーのせいか…彩人のせいか…
酔いと目はすっかり覚めてしまった
私はここで
何をしてるんだろう__
元カレの家で
元カレのベッドの上で
忘れられない元カレと同じ部屋で
萩花「はぁ……」
彩人はもう寝たと思い、
大きなため息をついてしまった
彩人「萩花?……起きてる?」
萩花「ごめん!起こしちゃった?」
彩人「ううん、俺もなんか目覚めちゃって
寝れなくて。」
萩花「そっか…。」
彩人「うん」
萩花「彩人……」
彩人「ん?」
萩花「私ずっとね…彩人のこと」
彩人「ごめん、、遠くてよく聞こえない」
萩花「…こっち来て、一緒に話さない?」
そういってベッドを手で優しく叩き、
彩人を呼んだ
彩人「でも……いいの?」
萩花「うん……」
彩人「頑張る」
萩花「……?」
" 頑張る "の彩人の言葉については
意味がわからなくて
なにも返さなかった
ゆっくりと近づき
ベッドに横になる彩人
萩花「近くて…なんか照れるね」
彩人「……さっき何言いかけたの?」
萩花「……えっと、、
私ね、ずっと彩人のこと…忘れられなかった。
彩人と別れて、何人かと付き合ったけど
思い出すのは…いつも彩人だけだった」
彩人「萩花…」
萩花「なんで…フったの?
私の事……嫌いになったから?」
大学を卒業してすぐ、
" 別れたい。 今までありがとう。"
そのたった一通のメッセージで
私たちは別れることになった
理由も何も分からないまま
好きだった気持ちに
無理やり蓋を閉めて__