はなことば
第5章 Primrose《クラスメイト》
琴葉「……私ね、来週数学の赤点回避出来るテストがあるの。」
春斗「うん?」
琴葉「それに合格できれば…赤点回避できるわけで」
春斗「うん。」
琴葉「だから、春斗くん。
私に数学教えてくれませんか?」
春斗「……俺?」
琴葉「うん。…代わりって言ったらなんだけど…
もし、私が合格できたら…
昨日の話、いいよ、受けても。」
春斗「え?」
琴葉「……あの…見せるって話。
私が赤点回避できたら、春斗くんに見せる」
春斗「…え…いいの?」
琴葉「お互い勉強の交換条件。」
春斗「……うん。わかった。お互いの勉強のため。」
琴葉「そう。……勉強のため。
だからその……やましい感じはなしで。」
春斗「うん。」
琴葉「じゃぁ……成立ってことで。」
春斗「じゃぁさっそく…数学やろうか」
琴葉「今日からいいの?」
春斗「うん。もちろん。」
琴葉「……こんなこと頼んで引くよね」
春斗「いや、元はと言えば、俺から言い出したし」
琴葉「……口外はなしで。」
春斗「それはもちろん。」
琴葉「私が……赤点ってことも」
春斗「わかった(。-∀-)」
こうして1週間、
私たちの放課後勉強ウィークが開催された
春斗くんはひとつも嫌な顔をせず
私に勉強を教えてくれた。
そして、ついに当日
春斗:今日、試験頑張ってね(^^)
朝、春斗くんからメッセージがきた
琴葉:ありがとう!絶対合格してくる!
そう返信すると、
FIGHT!って書いてあるスタンプが
送られてきた
琴葉「……春斗くんのためにも」
先生のスタート合図とともに
ペンを走らせた