
はなことば
第6章 Cleome《俳優》
資料を煌也に渡すと
煌也「これ……映画?」
汐海「そう!
この作品の主演に煌也が抜擢されたの!」
煌也「まじ!!マジかよ!!!」
汐海「おめでとう」
煌也「よっしゃー!!」
汐海「あ……でもね煌也、、」
煌也「ん?」
汐海「恋愛映画なの。」
煌也「うん。」
汐海「こないだほら、、
キスシーン初めてあったでしょ」
煌也「あったっていっても…
まじ、3秒くらいのキスだけだったけど」
汐海「今回はね、キスシーンだけじゃない。
濡れ場のシーンもあるの……」
煌也「っ!…まじか。。」
汐海「もちろん、前バリあるし、
…してるような感じが撮れればいいって
可能性もあるし…、、」
煌也「でも…伊勢谷監督って…
" 我が道 "の映画監督だよね?
あの作品、、確か…めっちゃ過激だったよね……」
汐海「それは…そうかもだけど…。
でもこれ、煌也の作品は大学生の話だよ?
さすがにそこまで、過激じゃないんじゃないかな?」
煌也「……んー」
汐海「悩むよね…」
煌也「しおちゃんはどう思う?」
汐海「どうって?」
煌也「出た方が、、いいと思う…?」
汐海「せっかくの主演映画だし、
私はチャンスだと思うの。
アイドルから俳優って顔がいいから出てるって
言われがちだけど…煌也は違う。
演技のレッスンもめちゃくちゃ
頑張ってるのも…私は知ってる。
顔だけがいいなんて…言わせたくない。」
煌也「俺……顔だけって言われてるの?」
汐海「え?あっ、違う違う!!!
もっともっと…煌也が褒められて、
認められたら嬉しいなって。
これから、もっとたくさん色んな作品に出て
賞なんか取っちゃったりして、、
そういうね…そういう俳優になって欲しいなって。」
煌也「しおちゃん……」
汐海「でも無理はして欲しくない。
嫌なら嫌ってちゃんと言って?」
煌也「わかった…ちょっと考える時間ちょうだい」
汐海「うん。わかった…。じゃぁ私…帰るね」
煌也「うん。気をつけてね。」
こうして、煌也の家をあとにした
