
はなことば
第7章 Sea Holly《兄妹》
学校が終わり帰り道_
色羽は1人で下校し
バイト先に向かっていた
『虹輝ー!』
後ろから虹輝を呼ぶ女の子の声がした。
思わず色羽が振り返ると
60mくらい後ろに虹輝が友達数人と歩いていた。
『なんでよー!虹輝も遊び行こうぜ』
『雨宮くんいないとつまんないよ』
『たまには一緒に遊ぼうぜ』
男女の声が飛び交っている。
色羽「相変わらず、人気者ですこと。」
独り言をつぶやきながら
兄と妹の差が格段に違うと
身に染みた色羽はまた歩き出した。
虹輝「色羽ー!」
呼び止める声で
足を止め振り返る
虹輝は自転車を押しながら小走りで色羽に近づき
虹輝「ごめん!今日、妹の世話しないとなんだわ」
大声で友達達にそう言った
色羽「は?」
目をまん丸にして虹輝の顔を見る
色羽「何言っての?私これからバイトなんだけど。」
虹輝「シ━━━ッ(・×・)」
色羽「はぁ?意味わかんない…」
『なら、しょうがねーな』
『雨宮くーん、また今度遊ぼうね!』
少し先の位置から友達達は虹輝に向けて言った
色羽「ん?なんで?なんで受け入れた?」
虹輝「ん?」
色羽「私、高2だよ?世話って何?
子どもじゃあるまいし。
シスコンって言われても知らないからね( ≖_≖)」
虹輝「んー、もう言われてるかも?」
色羽「最悪!!私の立場も考えてよね!」
頬を膨らましながら
怒った顔で歩き出す色羽。
虹輝「怒んなよ。
今日の朝、カバン持ってってやったろ?」
色羽「いい迷惑!」
虹輝「あれあったら絶対遅刻してるからな?」
色羽「私の脚力舐めないで。」
虹輝「とりあえず、また貸して。」
また色羽のカバンを奪い
自転車のカゴに入れると
虹輝「バイト先まで送ってく」
そういって、自転車に乗り、
歩く色羽のスピードに合わせて
ゆっくりとペダルを漕ぎ始めた
