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幽霊の悩み事

第1章 幽霊の悩み事

 僕は彼女を夏祭りに誘った。
 道路の両端に並ぶたくさんの出店を見て、彼女は瞳をキラキラ輝かせた。


『ねえねえ、あれやって! 射的!』


 射的は台に並ぶ商品を銃の弾で当てて下に落とさなければいけない。豪華な景品が並んでいるが、あれをゲットした人を見たことがない。


 案の定、僕が撃った弾は商品に当たりはするもののピクリとも動かなかった。


『私に任せて!』


 相沢はるかが台に重なって立つ。彼女の姿はもちろん誰にも見えていない。


『いいよ、撃って!』


 僕は彼女の胸目がけて弾を撃った。
 すると、タイミングよく彼女が商品を下に落としたのだ。


「うおおおっ、すげぇぜ、兄ちゃん!」


 それを見ていた客が盛り上がった。僕が当てたのは某ゲーム機だった。


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