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幽霊の悩み事

第1章 幽霊の悩み事

「まさか、悪戯好きな悪霊だったとはね……」

『悪戯なんてかわいいものじゃないわよ、階段から突き落とされたんだからね!?』

「あの涙が嘘で良かったよ、何も悩みがないなら良かった」

『あんたってポジティブすぎる』

「ところで僕はどうして幽体離脱したんだろう?」


 幽体離脱したのは初めてだ。
 もしかしてもうすぐ死ぬんだろうか?


『見て! あの悪霊、あんたの身体の中に入ろうとしてるわ!』


 相沢はるかが僕の身体を指差した。
 さっきまでは何も見えなかったのに、黒い影が僕の身体に纏わりついていた。


『止めなくちゃ!!』


 相沢はるかが黒い影に近づく。しかし、見えない力で弾き飛ばされてしまった。


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