悪役令嬢は次期公爵のあま〜い♡溺愛をうける。
第1章 **01
入って来た人物やたらイケメンと目が合った。
お互いにフリーズしていた所、私はやっとの思いで声を出した瞬間、イケメンに抱きしめられた。
鼻を擽る甘い香りと、懐かしいと思ってしまった感覚。
「あぁ、目が覚めたんだね!ベアトリーチェ···!!どちら様なんて何で他人行儀なんだい?あぁ···良かった、本当に」
(ベアトリーチェ···?)
はて?この容姿にこの名前···何処かで?
そして私を抱きしめている青い髪に金色のこの人は···まさか?
「···エグゼリアお兄様···?」
あるひとつの仮説に、私は口を開いた。
「先程から寝惚けているのかい?それとも盛られた毒のせいか···?」
何か今さらっと私が毒を盛られたと凄い事を聞いたようだけれど、ベアトリーチェに、エグゼリア···。ここは以前私がアプリゲームでプレイしていた『蜜月と甘い罠』と言うR18の乙女ゲームの中の、最悪な事に、私が悪役令嬢に転生してしまったと言う事がわかった。
「目が覚めましたから、どうか離れてくださいませ」
私はシスコンの兄の胸を押して距離を取る。
心配してくれた事は嬉しいが、私は今や外見はベアトリーチェだが中身は普通の一般人だ。
少々、いやかなり顔面のレベルが高い兄が直視出来ない。
「どうしたんだい?いつもの甘えん坊なリーチェは何処に行ったんだ」
「···それはもう、卒業する事に致しました」
そう言えば、この兄であるエグゼリアもヒロインの攻略対象の一人であり、やたら人気が高い。
「そうか。それは寂しいが、お前ももう17歳。公爵家へ嫁ぐ身としては···そうだよなぁ···私も妹離れなければならんのかっ!!」
残念なイケメンと化した兄はさておき、私が公爵家へお嫁に行くと言う事がもう決まっているらしい。
Why?···私が、公爵家へお嫁に···?
ちょっと待って。