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「早乙女に田中先生！何を騒いでいるんだ！？」


いつの間にか周りが騒いでいて担任の藤森(ふじもり)先生が駆けつけてきた。

藤森先生は一応中学の頃から何度か担任になった事がある。


「藤森先生！男子生徒が女子生徒を無理矢理…」

「違う！俺は姫野の事無理矢理なんてしてねぇよ！」

ついデカい声を出してしまって、その場が静まり返ってしまう。

クソ。何でいつもこうなるんだ…

「姫野、本当に早乙女と一緒に下校しているんだね？」

「そうです…私が龍牙くっ…早乙女君の事一緒に下校したいって誘ったんです！本当ですっ」

「そうかそうか、それじゃあ二人とも気を付けて帰宅しなさい」

「藤森先生！二人で帰したら危険ですよ」

「田中先生。早乙女はそんな子じゃないから」

藤森先生は新人教師を連れて行った。

……勘違いされずに済んだ。


「はぁ…信じて貰えて良かったぁ」

「…悪い。俺の人相が悪いばかりに」

「龍牙君は悪くないよっ…何もしてないのに勘違いするなんて失礼だよ！」


姫野は頬を膨らまして怒っているが、怒ってる顔も可愛い。


こんな何をしても可愛い姫野と何をしても悪い方向に勘違いされる俺がカップルなんてなれるのか？


このまま姫野と恋愛して周りが納得してくれるのだろうか…