早乙女くんがヒロイン?~エッチ表現有りバージョン~
第8章 休日デート
中に入るとロビーは薄暗くて、普段旅行で泊まるホテルとは全然違う雰囲気で自分で入ると言ったのに少し怖くて龍牙君の手をぎゅっと握っていた。
客室の内装の写真が並べられているパネルがあってそこから選ぶシステムみたい。
人もいない…
「……あそこでお部屋選ぶのかな?」
「俺がやるから」
龍牙君は私の手を握り返して、率先してパネルの操作をして向こう側の見えないフロントから鍵をもらって急ぎめにエレベーターへと乗り込んだ。
エレベーターに乗り込むと龍牙君は大きく息をはく。
「はぁ……めちゃくちゃ緊張した…」
「全部やってくれてありがとね…私から言ったのに…」
龍牙君の頬を伝っている雨水をハンカチで拭いてあげる。
「いや、あのまま駅まで行ってたら二人で体冷やしてたと思うから…」
エレベーターが止まって私たちが入る客室に着くと、中は大きなベッドがあってオシャレな作りになっていて綺麗。
「龍牙君の服ドライヤーで乾かしてるからシャワー浴びてきて?体冷えちゃってるし」
「いや、美羽も髪濡れてるから先入れよ。俺は後でいい」
髪が少し濡れてしまったけど、明らかに龍牙君の方がびしょ濡れなのに…
「私は龍牙君のおかげでほとんど濡れてないからいいのっ…龍牙君が入って!龍牙君入らなかったら私も入らないから」
龍牙君を後ろから押しながらそう言って無理矢理先に入らせた。