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悪いオンナ…2

第1章 【美大生の僕は魅力溢れる彼女に心奪われて…】






「あ、待って…」と言われて固まる僕に彼女の手が伸びてきて……眼鏡を外してくれただけなのにまた僕の心臓は暴れ出す



「眼鏡、ずっと掛けててね?」



「え…?」



「外して良いのは、私の前だけにしてよ」



「な、何で…?ていうか、コンタクトとか無理だからずっと眼鏡だけど」



「うん、眼鏡外したら…皆がガクの魅力に気付いちゃうじゃん……それはイヤだな」



「え?え?どういう……意味?」



こんな言葉で騙されたりしないって言い聞かせてる
自分で太腿抓ってわからせるんだ
ベット脇にそっと置いてくれた眼鏡
んふふ…って含みを持たせた笑み
本気でわからないんだよ、どういう意図なのか
誂ってるんだよね…?



「え、そのままの意味……眼鏡外したら、こんな可愛くて格好良いんだってバレちゃう」



「そ、そんな事言われた事ないよ、どうしたの、まだ酔ってる?」



「私、そんな飲んでないよ?途中で烏龍茶に切り替えてたし」



「あ、そうなんだ……」



「最後の方で潰れてた誰かさんを介抱するのに忙しかったし」



「ご、ごめんなさい」



「あはは、真に受けないで」



「だ、だって……本当にお世話様です」



「でもガクの良いところ知れたし、今回は参加して良かったって思うよ」



「どうせ岩崎がしつこかったんだろ?嫌ならちゃんと断ってね?」



言いながら、どの口が言うんだって自己嫌悪
僕だって断りきれずにズルズルと無理やり参加させられた身じゃないか



「うん、じゃ、寝よっか」



「あ、始発…」



調べたのかどうか聞こうとしただけなのに
後頭部から引き寄せられて、僕がキスされてるなんて……



「ん…?なに?聞こえない」



「えっと、だから、始発調べた…っ」






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