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Lの禁忌 〜taboo〜

第1章 【ココロ、堕ちる】






それから少ししてだったかな
朝一に燃えるゴミを捨てに降りた
戻って来た時に丁度、505号室のドアが開いて
かおるが出て来たの
私とは真逆の格好してた
パーカーにショートパンツ、思いきりすっぴん眼鏡
の私に対してかおるはビシッと決まったスーツ姿



目の前で雷が落ちたかと思った
一気に目が覚めた感じ
スラッとした美人さんって第一印象で思ってたけど
更に磨きが掛かった
好印象な厚すぎないナチュラルメイク
肩まで掛かるストレートな黒髪
ゴミの量、少なっっっ
あ、一人暮らしか



私に気付いたかおるはペコリと頭を下げ
「おはようございます」って挨拶してくれた
朝から眼福ありがとうございます……
こんな綺麗な人、周りにそうそう居ないからさ
思わず見惚れてたって言うの?
変に思われたかも知れない
ペコリと私も挨拶だけ済ませて足早に去ってしまいました



あんなズボラな格好してた私なのに
普段とのギャップがあってめちゃくちゃ刺さったと
後から聞いた時はにわかに信じ難かった
前髪ちょんまげで出てなかっただけマシだけども



顔だけ合わせる日が何日か続いて
初めて話をしたのはいつだったかな
マンションの外でもバッタリ会う事もあったよね
「黒木さん」「穂積さん」から名前呼びになるまで
本当に不思議で時間は掛からなかった
確かかおるの方から
「まりさん、て呼んで良いですか?」って聞かれて
そこでかおるの名前も知った



私も「かおるさん」と呼んだら謙遜して
歳下なので「かおる」で良いと
同じマンションに住む住人同士
歳の近い人とか居なかったから私も嬉しかった
3パターンくらい間取りがあるマンションだから
子育ての終えた夫婦や
かおるみたく独身の人も住んでいる





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