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Lの禁忌 〜taboo〜

第1章 【ココロ、堕ちる】






「かおる、好き」


「それ今言うのズルい、まりさんこそズルいです」


「だって、好きな気持ち溢れちゃったんだもん」


「あぁ、それ無自覚で言っちゃうとか、本当、私のまりさんはあざといですね」



そう優しく頬撫でられて別れ際のキス……
触れるだけじゃイヤ
さっきみたいなの、欲しい
目で欲しがるみたいなのね、私
それにいつも負けてしまうかおるは溜め息ついた後
ちゃんと大人のキスをしてくれる
気持ち良くて腰にきちゃいそうな……



「死ぬ気で我慢してる私が居るって事、忘れないでくださいね?」


「は、はい……」



バイバイした後も、
ちゃんと部屋に戻るまでドア越しに見てる
二部屋離れて暮らす私たち
子供が寝静まった後にこうして来てくれたり
私がお邪魔したりする日もある



何故、私たちがこうなったのか———



それは余りにも、一瞬で堕ちた恋だったのだ



ていうか、旦那さんどうしてるの?って気になるよね
旦那さんは単身赴任中で、時々週末に帰って来る
子供は2人、男の子
まだ手のかかる年頃だし、社会復帰は延期中
結婚する前は大手企業に勤めてたんだけどね



「ママー、ピンポンピンポン鳴ってるー」って子供が浴室全開にして告げてくる
だー!お風呂中だってばー!と慌ててタオルで拭いて出たら、諦めて帰ろうとしたかおるが居たんだよね
引っ越しの挨拶に来てたみたいで紙袋渡され
「505号室に越してきた穂積です!」って真っ赤な顔してさ


「あぁ、どうも、黒木です、宜しくお願いします」って普通に受け取って挨拶したけど、帰った後に鏡に映った自分を見て絶叫しちゃったよ
だって、ロンT一枚、濡れた髪で出たまでは良いけど
胸元パッカーン…でめちゃくちゃ下着見えてる
私は痴女か!って自分でツッコんだ
第一印象は多分ダメだったはず







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