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Lの禁忌 〜taboo〜

第1章 【ココロ、堕ちる】






「顔も紅い……クスッ…可愛い」


「か、可愛くなんかないよ」


「可愛いです、まりさんは」



そんな真っ直ぐな瞳で見つめられたらドキが
ムネムネだよ!
わざとなのかな?距離感も近いような……
ひゃっ……額寄せてきた



「お願いだから、可愛いを認めてください」



ギブ!ギブギブギブ!!
こんな至近距離無理だってば!!
耳まで真っ赤な私を目に焼き付くような
笑顔でアハハと口角を上げられたら……
女が女に見惚れてしまう



いつも何だかんだ言ってかおるの方が余裕あるみたいだよ
それが悔しくもあるんだけど
次はどんな顔見せてくれるのかなって興味が湧く
つまり、心奪われてフリーズしちゃうの
ん?ってアイコンタクトしてくれるの好き
優しく「まりさん」と呼ぶ声も好き
肩や腰に手が回れば飛び跳ねるほどドキドキしてる
急に距離詰めてくるから心臓保たないよ



これってどんな感情?
人として好き?
LikeじゃなくてLoveの方?
確かめるにはどうしたら良いの?



「こーら、今、違う事考えてるでしょ?」



横に座ってるのに腰から引き寄せられて
鼻の頭がくっついちゃいそうなほどの距離
え……?これは、マズい、非常にマズいです
女の子とこんなふざけ合いもした事はあるけど
何にも感じなかった
逃げ場のない状況にキャパオーバーしそう
ふざけてる?本気?わかんない



「えっと……その……近いです」


「クスッ…何で急に敬語になるんですか?」


「いや、えっと、うん、そうだね」


「もしかして、テンパってます?」



うんうん、と首を縦に振るしか出来なかった
また笑った、直視するには眩し過ぎる笑顔
髪を撫でるの慣れてる
覗き込まないで、視線を捕らわれたら動けなくなるよ
手がまた、腰に回ってきた……






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