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国家特別プロジェクト

第23章 ラーメンの湯気と学びの余韻

私がげんくんの目を見て、はにかみながら言った。
「……些細なこと覚えててくれて、わざわざ調べてくれたの、すごく嬉しかった。こんなこと言うの恥ずかしいけど……今、げんくんにときめいた」

言い終えた瞬間、胸がドキドキして、思わず視線を落とす😖
夜風の音がやけに大きく聞こえて――返事を待つ間の数秒が永遠みたいに感じられた。

「……っ」
げんは最初、少し驚いたように目を瞬かせた。けれどすぐに、口元に柔らかな笑みが浮かんでいく。
ふざけた調子ではなく、落ち着いた、真剣な笑み。

「まりかに、そんなふうに言ってもらえるなんて……正直、めちゃくちゃ嬉しい☺️」
声もいつもより低くて、どこか優しい響きを帯びていた。

「俺さ、普段はノリとか勢いで場を盛り上げてるけど……こうやって本音を伝えてもらえるの、ちゃんと心に響くんだ」
そう言うと、少し照れたように後頭部をかきながら、それでも真っ直ぐに私を見てくる。

月明かりの下で映るげんの瞳は、冗談なんてひとかけらもなくて――
その真剣な眼差しに、胸がぎゅっと熱くなった。

でも同時に、胸の奥に小さなざわめきも広がっていた。
私はいま――ふうじゅくんにも、げんくんにも心が揺れている。

まだ、げんくんから告白をされたわけじゃない。
だけど、彼が私に気持ちを寄せていることは、もう分かっている。
いずれその時が来れば、どちらかを選ばなくちゃいけない。
曖昧な態度をとるのは、きっと誰も幸せにしないから。

……でも。
少なくとも自分の心にだけは嘘をつきたくなかった。
揺れる気持ちも戸惑いも、そのまま受け止めて、正直にいたい――
そう思った。

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