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国家特別プロジェクト

第30章 母乳体験の幕開け

館内にアナウンスが流れた📢
――「みなさん、午後のプログラムを始めます。体育館に集合してください」

「何するんだろうね💭」とざわめきながら、私たちは体育館へ向かった。すでにマットや椅子が並べられ、空気には少し緊張感が漂っている。

前に立ったおじいちゃん講師が、穏やかな声で告げた。
「今日は“母乳体験”をしてもらいます。これから女性の皆さんには特別な薬を飲んでもらい、一時的に母乳が分泌される体になっていただきます。そして男性には、その母乳を実際に飲んでいただきます」

「え……😳」あちこちから小さな声がもれる。

講師はにこやかに続けた。
「女性の皆さんにとっては、将来自分の子どもが口にする大切なものです。練習だと思って、しっかり取り組んでください。ペアは後ほど発表します😌」

スタッフがトレーを運んできて、一人ひとりにコップ一杯の水と、小さな白い錠剤を二粒ずつ配っていった。
「では、どうぞ💊」

私たちは顔を見合わせながらも、静かに薬を口に含み、水で流し込んだ。

しばらくすると、体育館のあちこちでざわめきが広がる。
「……なんか、胸の奥がじんわりしてきたかも」隣の子が小声でつぶやく。

私もそっと手を当てると、内側から熱がじわっと広がっていくのを感じた。鼓動が速まり、身体の中で何かが少しずつ変わっていく。

「これが……😮」思わずつぶやく声はかすれていた。

講師は落ち着いた笑みを浮かべ、全体に声をかけた。
「大丈夫。これは自然な反応です。すぐに慣れてきますから😊」

胸の奥の温かさに、私は無意識に深呼吸した。これまでにない不思議な感覚に包まれて、体育館のざわめきさえ遠くに聞こえるようだった――。

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