テキストサイズ

国家特別プロジェクト

第5章 体育館でのひと汗

先生がホイッスルを鳴らした。

「それでは柔軟を始めます。ペアでお互いにサポートしてください🤝🏻」

最初に女性が前に座り、足を開いて前屈の姿勢に入る。
男性が後ろからそっと背中に手を添え、力加減を確認しながら少しずつ押していく。

「痛くない?」
「うん、大丈夫👌🏻……もうちょっと押して」

真剣なやり取りがあちこちで交わされる。
昨日の羞恥を共有した仲間同士だからこそ、ここでは自然と安心感があった。
女性の額に小さな汗が浮かび、必死に伸ばす姿を男性が真面目に支える。

続いて、足を開いたまま左右に体を倒す柔軟。
男性が片腕をそっと支え、女性が横に倒れやすいようにバランスを取っていく。
背筋が伸び、脇腹がじんわりと伸びるたびに、小さな息がもれる。

そのとき、まりかの腕を支えていたげんくんが小さく笑った。
「すごいな、意外と柔らかいじゃん」
「えっ、そうかな? 普通だよ🙈」
「いや、きれいに伸びてる。……隣で見てるとちょっとドキドキする」
不意に告げられた言葉に、まりかの頬が一気に熱くなる。
「やだ……真面目にやってよ😳」
「真面目だよ。ただ……距離近いからさ」
そう囁かれ、まりかは胸の奥が妙にくすぐったくなった💗

交代して、今度は男性が床に座る。
女性は背中に両手を添え、同じようにゆっくりと力を加える。
筋肉の硬さに「おおっ、意外と固いね😂」と笑い声がこぼれるが、雰囲気はとても真面目だった。
体育館には、ストレッチの掛け声と呼吸の音がリズムよく響いた。

その流れの中で、まりかが体重をかけてぐっと押すとげんくんが「いててて😂手加減してくれよ〜」と声を上げる。
「えっ、ごめん😳💦つい力入っちゃった」
慌てるまりかに、げんくんは笑いながら首を振った。
「いや、いいよ。真剣にやってくれてるの分かるからさ」
そのやり取りに2人で思わず吹き出し、緊張していた空気がふっと和らいだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ