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国家特別プロジェクト

第5章 体育館でのひと汗

講師がマイクを握り、次のストレッチの指示を出す。
「続いては――女性の皆さんの胸部トレーニングに入ります。出産後に母乳が出やすくなるよう、乳腺を整える目的があります。将来、子育てをする上で必要な準備ですから、きちんと取り組んでください😊」

その言葉に、女性たちは一瞬顔を見合わせた。けれど「将来のためなら✊🏻」と自然と気持ちが引き締まる。
お母さんになる未来を思い描きながら、どこか誇らしげに背筋を伸ばす姿もあった😌

先生は続ける。
「具体的には、乳腺のマッサージを行います。男性の皆さんがサポート役となり、正しく血流を促してください」

男女が向かい合って座り、男性が慎重に手を添えた。
円を描くように、外から内へとやさしく圧をかけていく。

「強すぎない?」
「大丈夫、もう少し強くてもいいかも👌🏻」
小さな確認の声があちこちで交わされ、笑いも色気もない、真剣そのものの空気が広がっていた。

その中で、まりかの胸に手を添えたげんくんは落ち着いた声で囁いた。
「痛かったらすぐ言えよ。無理はさせたくないから」
その余裕ある言葉に、まりかは思わず頬を赤らめる。
「……うん、大丈夫だよ😳」
大きな手が円を描くたびに体の奥がじんわり熱を帯び、息が浅くなる。
真剣な顔で気遣うげんくんに「色っぽい」なんて言えないけれど、鼓動が早まっていくのを止められなかった。

体育館に漂うのは、研修らしい緊張感と「未来のために」という女性たちの意欲。
そして一部のペアには、言葉にできない微かな熱が確かに生まれ始めていた。
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