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国家特別プロジェクト

第5章 体育館でのひと汗

講師がマイクを握り直す。
「時間が余ったので、次は軽い筋トレをしていきます。腕立て伏せと腹筋をそれぞれ50回ずつ。ペアの相手が回数を数えてあげてください」

「ご、50回!?😱」
女性たちの顔が一斉に引きつる。だが講師はにっこり微笑み、「自分のペースでいいですから、最後までしっかり😊」と告げた。

まずは腕立て伏せ。
男性たちが床に手をつき、真剣に身体を上下させる。だがスポーツウェアから飛び出した竿も一緒に上下運動を繰り返し、その光景はどうしても目に入ってしまう。
「……ねぇ、あれ完全に邪魔だよね😂」
「集中できない……!」
クスクスと漏れる声。けれど数を数える声は真面目に重なり、体育館には「いち!に!」と真剣さとシュールさが奇妙に混ざって響いた。

続いて腹筋。
まりかが仰向けに寝ると、げんくんが足を押さえ込む。上体を起こすたびに顔が急接近し、息が混じり合いそうな距離に。さらにその視線の先には、彼の竿がはっきりと存在感を放っていた。
「ちょ、近い……!😳」
「我慢しろ、腹筋に集中しろよ」
「無理だよ……!💦」
必死に腹筋を繰り返すたび、頬は熱くなる一方だった。

「にじゅう……はぁ、もう無理……」
へにょ、と後ろへ倒れるまりかの額に汗が光る。
「まだ半分だぞ。……ほら、俺が数えてやるから頑張ろ」
げんくんが笑みを浮かべて顔を近づける。その笑顔に胸がドキンと跳ねた。
「がんばります…」
「ちゃんと最後までやれたら褒めてやる」
「……っ、そんな言い方ずるい😖」

へにょへにょになりながらも必死に上体を起こす。起き上がるたびにげんくんの竿が視界にちらつき、思わず目を逸らすたび彼は楽しそうに口元を緩めた。
「……見てるだろ?」
「み、見てないし!💦」
「嘘つけ。顔赤いぞ」
「だから意識させないでよぉ……!」
2人のやり取りに、すぐ横のペアが吹き出しそうになるが、必死に口を押さえて数を数え続けた。

「よんじゅう……ご……!はぁ、はぁっ……🥵」
最後の回数を終えた瞬間、まりかはその場に寝転がった、げんくんが慌てて背中を支える。
「よく頑張ったな」
耳元で囁かれた優しい声に、胸の奥がじんわり熱を帯びる。

体育館にはあちこちで「もう限界〜😂」と笑い声と荒い吐息が入り混じり、真剣さとシュールさ、そして妙な色気が漂っていた。

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