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国家特別プロジェクト

第7章 食堂に広がる甘い空気

館内スピーカーから再びアナウンスが響いた。
――「午後は持久走をしてもらいます。女性は1.5km、男性は3km。食後すぐだと辛いと思うので、1時間半後に敷地内のグラウンドへ集合してください」

「えっ、長距離!?😱 高校生ぶりだよ、走れるかなぁ……」とあいかが大げさに頭を抱える。
「私も体力自信ない〜🫠」
「でも……ダイエットになるかも?頑張るかぁ😤」
反応はさまざまで、テーブルに笑いが広がった。

食事を終えると、それぞれの部屋で過ごす自由時間に。
私とこころはベッドに腰かけ、自然とおしゃべりが弾む。
「ねね、うちらでインスタの共同アカウント作らない?📱」
「いいね、それ!」即答すると、2人でスマホをのぞき込みながらアカウントを開設した。

最初の投稿は、初日の夜に撮ったおそろいパジャマでの写真。
1枚目は並んでピースするツーショット。
2枚目、3枚目はそれぞれのピンショット。
コメントには――
《特別プロジェクトに参加してます、まりかとこころです。よろしくお願いします😊》
と添えて、公開ボタンを押す。
投稿が反映されると「わぁ、上がった!」「いいね付くかな〜」と2人で顔を見合わせて笑った。

廊下の向こうからは、あいか達の部屋のドアが少し開き、音楽と笑い声が漏れていた。覗くと、ベッドに寝転んだまつりがスナック菓子を頬張りながら動画を見ていて、ルームメイトとキャッキャと盛り上がっている😚
「みんなそれぞれ過ごしてるね〜」
「うん。でも同じ場所にいるって思うと、不思議と一体感あるよね🙃」

のんびりとした時間はあっという間に過ぎていく☁️
やがてスマホの通知が時間を知らせ、私とこころは顔を見合わせた。
「そろそろ準備しよっか✊🏻」
午後の持久走に向けて、少し緊張しながら立ち上がった。

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