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グラウンドに集まった参加者たちは、午前の流れから「また何か仕掛けがあるに違いない」と身構えていた。竿を出したまま並んでいる男性陣を見ればなおさら、普通の長距離で終わるはずがないと誰もが思っていた。

講師はマイクを手に、落ち着いた声で告げる👴🏻
「ではこれより持久走を行います。女性は1.5km、男性は3kmです。体力をつけるため頑張りましょう」

「……え？😦」
「ただの長距離！？」
会場に拍子抜けの声が広がる。

おじいちゃん講師は首をかしげ、「何か問題でも？🤔」とでも言いたげにきょとんとしていた。その真剣な表情と、竿を出したまま整列している男性陣の姿が重なり、あまりにもシュールな光景になった。
思わず女性たちの肩が小さく震え、男性の中からも「竿出したまま走るの！？なあ先生、せめてしまわせてくれよ〜 😂」と笑い声が漏れた。

けれど同時に、女性の中には内心で別の感情を抱いた者もいた。
――少しは“気持ちいいことをしながら走る”のかも、と。
そんな期待をしてしまった自分に気づき、頬を赤く染める🫣

その時、少し離れたところでこころとまつりが顔を寄せ合い、ヒソヒソ声を交わす。
「ねぇ……私ちょっと期待してたかも……😳」
「しーっ！実は私も……でも秘密。恥ずかしすぎる……😖💗」
2人は顔を覆って笑いをこらえ、赤くなった目でちらりと視線を交わした。

結局、始まるのはただの持久走。
だが「普通じゃない空気」と「心の中の赤面した期待」が重なり、グラウンドにはどこか甘くて可笑しい雰囲気が漂っていた。