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国家特別プロジェクト

第8章 想像の先は……持久走

講師がマイクを手に取った👴🏻
「では準備運動をします。代表として、女性はふくだわかばさん、男性ははやしふうじゅくん。前へお願いします」

「え、私!?😳」驚きつつも前に出た2人は掛け声を合わせる。
「いち、に!さん、し!」
その声に合わせ、60人全員が身体を伸ばし、屈伸を繰り返した。午前のレクとは違い、どこか体育祭のような懐かしい雰囲気が広がる。

準備が終わると、先に女性30人がスタートラインに並ぶ。横に立ったまつりが小声で「やばい、まだお腹いっぱいで走れる気しない〜😫」とこぼす。
「私もだよ。でも……頑張るしかないっしょ✊🏻」私は笑って返し、軽く拳を合わせた。

笛の音が鳴り、女子のレースが始まった。
息を切らしながらなんとか走り切り、1位はわかば。私は5位、そして最後にゴールしたのはあいかで「もう無理ぃ〜!😱」と倒れ込んだ。

続いて男子の番。
スタートと同時に勢いよく飛び出したげんくんに、私は思わず声を張った。
「げんくん、がんばれー!📢」
自然と名前を呼んでいて、隣にいたまつりがニヤリと笑う。
「まりかちゃん、声大きい〜😏」

走りながらこちらを見たげんくんが、にっと笑った。その笑顔に胸が跳ね、私は顔を赤くしながら手を振る。

そして、ゴールテープを切ったのはげんくん。堂々の1位だった。
「お疲れさま!」私は駆け寄り、タオルを差し出す。受け取った彼が笑顔で「ありがとな」と言った瞬間、全身が熱くなる。

少し離れたところでは、まつりとあいかがこころに顔を寄せてニヤニヤ。
「見た?タオル渡してた〜」
「もう完全にいい感じじゃんね💗」
こころは「ふふ、そうかもね😉」と笑い、3人は意味深に私を見つめていた。

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