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国家特別プロジェクト

第11章 赤ちゃんがお腹にいる10か月

亀田先生の優しい声がホールに響く。
「ここまでで、妊娠や出産について気になることはありますか?今の内容に限らず、不思議に思うことは何でも大丈夫ですよ。是非聞いてください😊」

少しの沈黙のあと、私は思い切って手を挙げた。
「先生……お母さんが運動したり、ちょっと走ったりしても赤ちゃんは大丈夫なんですか?」

「とてもいい質問ですね😊」先生はにっこりと頷く。
「適度な運動はむしろ良いんです。ウォーキングやストレッチは血流を良くして体調が安定しやすくなります。ただし、激しい運動や転倒の危険があるものは控えてくださいね」
「へぇ〜、そうなんだ!」と周囲からも小さな声が漏れた😲

続いて、こころが手を挙げる。
「妊娠中って、赤ちゃんに声をかけると伝わるんですか?📢」

「はい、伝わりますよ」先生は即答した。
「妊娠中期ごろから赤ちゃんは音を感じ取れるようになります。お母さんや周りの人の声はしっかり届いていて、生まれた後の安心感にもつながるんです」
「わぁ……なんか素敵ですね☺️」こころが目を輝かせて呟き、女子たちの間に温かい空気が広がった。
私も思わず「確かに……」と胸の中でつぶやく。こんな風に声が届いてるなんて、すごく素敵だなって思った。

すると、後方でふうじゅくんが手を挙げる。
「先生、男性って妊娠中のお母さんに具体的にどうサポートしたらいいんですか?ただ優しくするだけでいいのかなって……」

先生は感心したように微笑んだ。
「これもとても大事な質問です👏。まずは“日常の小さなことを手伝う”こと。買い物の荷物を持つとか、家事を分担するとかですね。それだけでも大きな支えになります。そしてもうひとつ、“話を聞くこと”。妊娠中は孤独になりやすいので、気持ちを安心して吐き出せる相手がいるのはとても心強いんです」

「なるほど〜」と男子たちは一斉にメモを取り始め、女子たちも自然と頷いていた。

最後に先生は微笑みながら言葉を添える。
「質問が予想より多くて嬉しいです。皆さんの関心の高さに、私もお話ししていてとてもやりがいを感じます☺️」

ホール全体がじんわりと温かい空気に包まれ、誰もが“命を支えること”を少し近くに感じていた。

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