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国家特別プロジェクト

第13章 癒しのひととき、それぞれの午後

館内スピーカーから落ち着いた声が流れてきた📢
――「午後の時間は、皆さんにゆっくり疲れを癒していただきます☺️プロの整体師を15名お呼びしていますので、全員60分ずつ施術を受けていただけます。後ほど、各階に順番のリストと施術のお部屋を掲示しますので、ご確認くださいね。慣れない環境で体もこわばっていると思いますので、この機会にしっかりリフレッシュしましょう」

同じ瞬間、建物のあちこちでふわっと喜びの声が漏れた。
私とこころが顔を見合わせると、開けていた窓の向こうから「整体だって〜!」「楽しみ〜💕」という女子の弾んだ声がふんわりと届いた。
廊下からも「どんな先生なんだろうね〜」「眠くなっちゃいそう🥱」なんて笑い交じりの声が聞こえてきて、フロア全体が柔らかな浮き立つ空気に包まれていった。

「ねぇ、どこ重点的に解してもらおうかな〜?」こころが小首をかしげる。
「私は絶対肩だなぁ。最近ずっとこってるから💭」
「いいね!私は腰かな。昨日の運動でちょっと張ってるんだよね😂」
「たしかに、腰もお願いしたいな😂整体って、やっぱり人の手でやってもらうと全然違うんだよね」

そんな何気ない会話を交わすだけで、胸の奥がふんわり温かくなり、これから始まる“癒しのひととき”がますます楽しみになっていった。

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