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国家特別プロジェクト

第14章 お腹も心も満たされて

夕食を終えて部屋に戻る廊下を、こころと2人で並んで歩いた。
「ご飯美味しかったね〜。しょうが焼きの香りが忘れられない〜😂」
「ほんとだよね!刺身もめっちゃ新鮮だったよ✨」
そんな他愛もない会話を交わしながら部屋のドアを開けると、柔らかな灯りが2人を迎えた。

ベッドに腰を下ろした瞬間、こころがふっとこちらを見て言った。

「ねぇ……げんくんとどうだった?」
不意の問いに、胸が少しだけ高鳴る。

「高校のときの部活とか、小さい頃の習い事、あと初恋の話もしたんだよ。なんかね、出会う前のことを知れたのがすごく嬉しくて☺️」
そう答えると、こころの目がきらりと輝く。
「わぁ〜いいね!そういうの聞くと、一気に距離縮まるよね🥰」
その反応に思わず頷き、胸がじんわりと温かくなる。

するとこころが少し照れくさそうに笑いながら続けた。
「実はね……まりかちゃんが部屋を出たあと、れおくんが来て“話さない?”って誘ってくれたの。それで……れおくんの部屋で1時間くらい話したんだ」
「えっ!そんなことがあったの😳」と思わず声を上げてしまう。
「男性の部屋に行くなんて、こころちゃん大胆〜😘」軽くちゃかすと、こころは「やめてよ〜///」と顔を赤くしながら枕を抱きしめた。

「でもね、別に好きとかそういうのじゃないんだ。ただ……話しててすごく楽しかったし、“もっと知りたいな、また話したいな”って思っただけだよ😊」
こころの声は穏やかで、どこか自分でもまだ気づいていない気持ちを探しているように聞こえる。

「そっかぁ……でもそれっていいことじゃん。気づかないうちに、心が動き出してくるかもよ😉」
私がそう返すと、こころは少し考え込むように視線を落とし、やがてふんわりと笑った。

部屋の中には笑いと小さなときめきが混ざり合い、優しい時間が流れていた🌙✨

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