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国家特別プロジェクト

第17章 夜空に灯るキャンプファイヤー

男性たちは講師の指示に従い、夕方に向けてキャンプファイヤーの準備に取りかかっていた。
まずは薪を集め、中央に大きな炎を囲めるよう円形に積み上げていく。乾いた木の香りが草原の風に混ざり、焚き火の夜を予感させる🌲
その周囲には、暗くなったときに足元を照らせるようにランタンを等間隔に並べていった。オレンジ色の柔らかな灯りがひとつ、またひとつ置かれるたびに、草原の景色は少しずつ“夜を迎える準備”を整えていく。

次に取りかかったのは食事スペース。折りたたみ式のテーブルと椅子を広げ、60人分が一度に座れるように整えていく。6人用のテーブルがいくつも並ぶと、それだけでまるで屋外レストランのような雰囲気が広がった。
各テーブルの上にはシンプルなランチョンマットが丁寧に敷かれていく。淡いブルー、ミントグリーン、ベージュ……色はテーブルごとに異なり、並んだ光景は思いのほか華やかで、さりげないおしゃれさを演出していた。
フォークとスプーンもひとつひとつ並べられ、揃った銀の輝きがランタンの光に反射する。

さらに講師が運んできたのは、女性たちが夜に身にまとう衣装だった。
パステルカラーのノースリーブワンピースが、それぞれの部屋ごとに色を分けてまとめられている。オレンジ、ピンク、ブルー、グリーン……淡い色合いが草原に映え、ただそこに置かれているだけで柔らかな空気を漂わせていた。
「スポーツウェアのままだと火の粉で危ないですからね。安全に楽しめるように、パステルカラーのワンピースを用意しました。夜はこれに着替えていただきます👗」
そう言って講師は大切そうに衣装をまとめて、汚れない場所に置いた。

準備が整った頃、講師が再び声をあげる。
「男性の方々にも私服を用意しています。スポーツウェアのままでは火のそばは危険ですからね。着替えてください⚠️」

一呼吸おいてから、彼は思い出したように付け加えた。
「……あ、その前に。女性の皆さんが目を覚ましたときに“栄養ドリンク”をすぐに渡せるよう、先に作っておいた方がいいかもしれませんね🙂‍↕️」

冗談めかして笑みを浮かべながらも、その言葉は男性たちの胸にじんわりと熱を残した。
昼間の記憶がよみがえり、彼らの表情には小さな期待と照れが滲む。やがて誰もが無言で頷き、夜に向けた新たな準備へと取りかかっていった――。

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