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国家特別プロジェクト

第17章 夜空に灯るキャンプファイヤー

夜の始まりを告げるように、草原の中央で焚かれた火がぱちぱちと小さな音を立てる。バーベキューの香ばしい匂いとともに、キャンプファイヤーが本格的にスタートした。

グリルの前では男子たちが肉を並べ、トングを動かしていた。じゅうじゅうと脂が落ちる音に歓声が上がる。
一方で女子たちは作業台で夏野菜を切り分け、彩りよくグリルに載せていく。赤や黄色のパプリカ、甘いとうもろこし、輪切りにしたナス……火が通るごとに鮮やかさが増し、食欲をそそった。

その横で、大きな鉄板を囲んでいたのはこころと女子4人。エプロン姿でわいわいしながら焼きそば作りに挑んでいる。
「野菜、もうちょっと入れよっか?🤔」
「うん!キャベツいっぱいの方が絶対美味しいよね😆」
「わ〜、いい匂い〜!」
こころがリズムよく麺をほぐし、隣の子がソースをじゅわっとかける。甘辛い香りが夜風に乗って広がり、鉄板の上からは湯気と笑い声が同時に立ちのぼった。

そんな中、講師が手を叩いて声をあげた。
「みなさんに総理からの差し入れが届いています!」
一斉に視線が集まる。テーブルに置かれたのは、大玉のスイカが三つ。
「旬のものを送ります、皆さんで食べてくださいとのことです」
その言葉に「流石総理👏🏻」「夏と言ったらスイカだよな😁」と歓声が上がり、拍手が巻き起こった。

スイカを切る役目を任されたのは、わかば・まつり・まりか・たいよう・れお、そしてもう一人の男子。
「三玉あるから、手際よくいこう!」すばるが声をかけ、ナイフを握った手に力がこもる。
大きな果実が次々と赤い断面を見せ、瑞々しい香りが漂った🍉

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