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国家特別プロジェクト

第19章 男性の任務

私とこころは部屋で並んでベッドに座り、そわそわと落ち着かない時間を過ごしていた。

「……ねぇ、ふたり一緒に来るのかな?」
こころが囁くように言う。
「ど、どうだろ……でも昨日もタイミング似てたし、ありえるよね」
思わず声が小さくなる。

お互いに目を見合わせて、同時にクッションを抱きしめる。
「……なんか待ってるの、余計に恥ずかしいんだけど😖」
「うん……ドアが開くまでの時間が一番ドキドキするかも……」

そうやって小声で言い合っていた時――。
コン、コン。ドアをノックする音が響いた。

一瞬で背筋が伸びる。
「き、来た……!」
こころが小さく笑って、私も心臓の音をごまかすように深呼吸をした。

ドアが開いて、ふうじゅとれおが並んで入ってくる。
その瞬間、部屋の空気が一気に熱を帯びた気がした。

「お待たせ」軽く笑いながらベッドの脇に腰を下ろすと、自然な流れで私とこころを抱きかかえる体勢になる。

私の視線の先、隣のベッドではれおがこころを同じように抱き寄せていた。
同じタイミングで哺乳瓶を口に含むことになり、思わずこころと目が合う。
「……っ」お互いに頬が赤くなって、くすぐったいような恥ずかしさで胸が高鳴った。

ふうじゅは私の耳元に顔を寄せ、小さく囁く。
「……さ、飲んでみて」
低く甘い声に導かれるように、私は乳首に口をつけ、一口含んだ。

――その瞬間、違和感。
昨日よりも……もっと濃い。舌の上に残る生々しさに、思わず目を瞬く。

私の変化にすぐ気づいたふうじゅが、口角を上げて微笑む。
「気づいた? 朝一だからさ、昨日より濃いと思う」
「……っ」耳まで一気に熱が上って、俯いてしまう。

そんな私の様子を見て、ふうじゅは小さく笑った。
「……可愛い。可愛いな」
その声は独り言のように優しくて、でもしっかりと私の胸に届いた。

隣ではこころも同じように頬を赤らめ、れおの腕の中で哺乳瓶を受け取っている。
部屋の空気は甘く熱を帯び、二人で同じ時間を共有していることが余計に恥ずかしくて、でも心の奥がじんわり温かくなっていった。

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