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講師がメモ用紙を手に取り、先頭の席に座る子へ配った。
「はい、後ろに回してくださいね😊」
その声に従って、メモ用紙はひとりからひとりへと渡されていく。緊張した空気の中にも、シャリシャリと紙の音が静かに広がった。

前に立つ亀井先生が一歩進み、柔らかな声で切り出す。
「さて、みなさん。日本人の主な死因トップ3はご存じでしょうか？」

教室に一瞬の間が生まれる。すぐに、こころが手を上げて自信ありげに答えた。
「1位は……がんですよね」
「正解です」先生がにっこりと頷いた。

その言葉に背中を押されるように、私も口を開いた。
「心臓の病気も、多いイメージがあります」
「いいですね、その通りです。心疾患は第2位です」

黒板に「がん」「心疾患」とチョークで書き加えると、先生は教室を見渡した。
「では、残りの第3位は分かりますか？」

少し考え込んだたいようが、おずおずと声を上げる。
「……交通事故ですか？🤔」
「確かに交通事故で亡くなる方も多いですが、違いますね」

間髪入れず、げんが腕を組みながら口を開く。
「頭の病気……とかですか？」
「いいですね！ その通りです。第3位は“脳血管疾患”です」

チョークが黒板に「脳血管疾患」と書き込む音が響く。

先生の声がはっきりと響き、空気が少し引き締まる。
「現時点での死因の第1位は“悪性新生物”……つまり、がんなんです」

誰もが無意識に背筋を伸ばし、メモ用紙にペンを走らせていた✍🏻