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国家特別プロジェクト

第22章 がんと向き合う時間

その後も「検診で一番大事なことは?🤔」「若い世代でもかかるんですか?🧐」など、いくつかの質問が飛び交った。
亀井先生はひとつひとつに耳を傾け、専門用語を分かりやすくほぐしながら、丁寧に答えていく。

気づけば時計の針は終わりの時間を指していた。
先生は前に立ち、改めて全員を見渡した。

「今日は、まず“死因の1位ががんであること”を知ってもらい、さらに“どの部位で亡くなる方が多いのか”という点をお話ししました。そして、皆さんから出た質問に答えることで、少しでも理解が深まったのではと思います。次回以降は、治療内容や新しい医療の取り組みについても説明できればと考えています👨🏻‍⚕️」

その言葉に、教室の空気がぐっと引き締まる。みんな自然とペンを止め、真剣にうなずいていた。

するとおじいちゃん講師が一歩前に出て、にこやかに声をかける。
「亀井先生、本日はありがとうございました🙇🏻」

「ありがとうございました🙇🏻‍♀️」
その声に合わせて全員が頭を下げ、教室に感謝の声が響いた。

机の上には、配られたメモ用紙。そこには、黒々とした文字でびっしりと今日学んだことが書き込まれていた️📝
自分の字を見つめながら――ひとりひとりの胸に、「学ぶことの重み」が静かに刻まれていった。

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