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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第35章 街のみんなのために

午前中に川の清掃依頼を終えた一行は、ギルドに戻る前に河原で腰を下ろした。
しおんがマジックバッグを開くと、中から干し芋と熟したバナナ、そして細長いパンを取り出す。

「わぁ……! こういうところで食べるの、新鮮です、嬉しい😆」
花香は目を輝かせ、ワンピースの裾を整えながら座り込む。

千夏もにっこり笑って頷いた。
「うん! 外で食べると、同じものでももっと美味しく感じるね😋」

凛はパンをかじりながら、肩を揺らして笑った。
「これからこういうの、たくさんできるんだよ。楽しみだね✨」

花香は胸に手を当て、小さく頷く。
「……はい。こんな時間、初めてで……すごく幸せです☺️」

――食事を終えると、ギルドへ戻って報告を済ませた。
しおんが受け取った報酬を分け与えると、凛と千夏が顔を見合わせ、こそこそと小声で話を交わす。やがて二人の表情がぱっと笑顔になり、しおんの前に立った。

「ご主人様、私たちの稼ぎを合わせたら銅貨八枚になりますよね」
凛がそう切り出すと、千夏が続けた。
「そのお金で……花香ちゃんに、私たちとお揃いのリュックをプレゼントしたいんです🎁」

「えっ……わ、私に……?😳」
花香は驚きに息を呑み、胸の前で両手をぎゅっと握った。

四人はその足でいつもの仕立て屋に向かう。
店内でリュックを選ぶとき、凛が楽しそうに言った。
「花香ちゃんの色はブラウンだから……たぬきか馬が似合うと思うんだよね💭」

千夏はすぐに頷いた。
「私は馬が可愛いと思うな🐴」

二人は意見を合わせ、馬の顔をかたどったリュックを選んだ。
銅貨6枚を店主に手渡すと、しっかりとした造りのリュックが花香の手に渡された。

「……わぁ……! これ……私の……?🎒」
花香は胸に抱きしめるようにリュックを抱え、瞳を潤ませて微笑んだ。
「ありがとうございます……! こんなに素敵なものをいただけるなんて……本当に幸せです🥺」

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