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しおんが商業ギルドを訪れると、すぐにハヤンが満面の笑みで出迎えた。
「いやぁ、しおん様！　昨日は大成功でしたな！」

広間に通され、椅子に腰を下ろすより早く、ハヤンは手を叩くようにして声を弾ませる。
「まさか、あれほどの大反響があるとは……。一日で五十本も売れるとは思いもしませんでした👏🏻」

誇らしげに書類を掲げ、さらに言葉を続ける。
「しかも驚くべきことに――昨日ご購入くださった冒険者の方々が“魔振棒”の評判を広めてくださったようでして。本日だけで既に二十本の追加販売がございました」

しおんは片眉を上げ、思わず口角を緩める。
「……二十本、か」

ハヤンは深く頷き、机の上に袋を置いた。
「売上は銅貨百枚。本来の取り分通り、八十枚をここでお渡しいたします。お確かめください💰」

ずしりと重い袋を手に取ると、硬貨の音が心地よく響いた。

「このままの勢いで行けば、売れ行きはうなぎ登りでしょうな。……噂というものは、我々が動かずとも自然と広がるもの。実演は十分に力を持ちました✨」

ほっとしたように笑うハヤンは、軽く肩を竦める。
「ですので――ここらで少し休憩を挟むのも良いかと存じます😊」