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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第8章 コツコツ稼いで、確かな一歩

朝、しおんは宿の食堂で一日の始まりを迎えた。テーブルに並んだのは、小魚をカリカリに揚げた香ばしいフライと、丸く柔らかなパン。さらにキノコがたっぷりと入った滋味深いスープと、冷えたミルクのカップが添えられている。シンプルながらも栄養があり、腹を満たすには十分だ。
「……今日も頑張れそうだな😋」

財布を確かめると、昨日の時点で銅貨103枚。目標の銀貨8枚は既に越えているが、村づくりを見据えればもっと余裕が欲しい。
「今日は薬草はやめて、鉱山だけに集中するか」

ギルドで鉱山採掘の依頼を八件受けると、受付嬢は目を丸くした。
「一日で八件……本当に大丈夫ですか?😳」
「はい。昨日やってみて手際よく進められそうだと分かったので」
「それなら安心しました。でも、どうか無理はなさらないでくださいね😊」

街を出る前にパン屋で、野菜がたっぷり詰まったサンドウィッチと果物ジュースを買い、鉱山へと向かう。洞窟に入れば、つるはしの音がガンッ、ガンッ、と響き渡り、しおんには壁のあちこちに淡い光が見えていた。鑑定スキルが鉱脈の場所を示しているのだ。
「……今日も外れなしだな🧐」

午前中から掘り進め、昼時になると岩の上に腰を下ろしてサンドウィッチを取り出した。パンの中には彩り豊かな野菜がぎっしり詰まっており、噛むと瑞々しい甘みと塩気が口いっぱいに広がる。果物ジュースは爽やかな酸味が効いていて、疲れた身体に心地よく染みわたった。
「……うまい。これなら夜までやれそうだな😄」

再びつるはしを握り、光の示す場所を掘り続ける。土と岩の匂いに包まれながら、黙々と鉱石を袋に収めていく。思っていたよりも効率よく進み、八件分の鉱石は――夜を待たず、夕方にはすべて揃ってしまった。
「……予定よりずっと早い。これなら街に戻れるな」

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