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翌朝。
しおんが目を覚ますと、隣のベッドでは凛が布団をぎゅっと握り、恥ずかしそうにモジモジしていた。
「……おはよう、凛😉」
「お、おはようございます……」
昨夜のことを思い出しているのか、頬はほんのり赤いままだった。

二人は並んで食堂へ向かう。
朝食に並んだのは、よく分からない白身魚と貝がたっぷり入ったスープ、それから香ばしい穀物、そしてトマトのような赤い果実を丸ごと素焼きにした料理。

凛は席につくと、目を輝かせてスープをひと口すする。
「……！　すごく美味しいです！」
頬を赤らめながら夢中で食べるその姿は、昨日と同じように無邪気で、しおんを思わず微笑ませた。

「気に入ったか？」
「はいっ！……でも、昨日と同じで、どれが一番かなんて選べません……全部美味しくて……」
困ったように眉を下げる凛に、しおんは吹き出す。
「ははっ、素直でいいな。なら、また色々食べさせてやる」

食事を終えたしおんは、席を立ちながら声をかけた。
「今日は凛の衣類を買おうと思う」
「わ、私の……ですか？」
驚いたように目を丸くする凛に、しおんは頷いた。

二人は街の仕立て屋へと向かう。
店の中は生地やリボンが並び、どれも鮮やかな色合いだった。しおんは店員に声をかける。
「この女性に合うサイズで、大人用のスタイとロンパースを頼みたい。あとはレースガーゼ生地のボンネットと靴下、ベビーシューズ風の靴も。全部水色メインで」

店主はペンを止め、思わず顔を上げた。
「……お客様。確認ですが、“大人用のロンパース”で間違いないでしょうか？」

「間違いない。この子に着せる😌」
しおんは即答する。

その視線を受け、凛は顔を真っ赤に染めて慌てた。
「わ、私が……着るんですか……？😳」
しおんは当たり前のように頷く。
「似合うと思う」

「……っ」
凛は耳まで赤くして俯き、恥ずかしさに耐えるように指先をもじもじさせた。

店主は一瞬困惑したが、やがて咳払いをして帳面にメモを取り直す。
「……かしこまりました。では“大人用ロンパース”、水色で仕立てますね」