
脳内ショートストーリー
第3章 【真咲莉緒と伊藤蒼真〜上司と部下の恋〜】
肩に手を置かれて彼らに向かって一言
「悪いけど、もう真咲返してもらうね?」
えっ…?この声はやっぱり……部長?
もしかして戻って来たの?
思わず立ち上がり
「あぁ、午後からの打ち合わせの件ですよね?」と
トレーを持ち、彼らに会釈して立ち去る
部長の足音が怖い……怒ってる?
エレベーターに乗って一緒に戻るけど……
「邪魔したか?」とズボンポケットに手を入れたまま
後方に立たれては返答に困る
いや、寧ろ助かった方です
「何で戻って来たんですか?急ぎの案件ありました?」
「いや、いつも男連中と昼飯食ってあんな感じで先戻って来てたけどそういや相手は真咲で、かなり気を遣わせたかなって思って……甘いカフェオレでも奢ってやるかと戻ったわけだ」
「……甘いカフェオレ、ふふふ」
「違うか?甘いの好きなんだろ?」
「部長、私の事、知らなさ過ぎです、奢ってくださるなら抹茶ラテが良いです、エヘヘ」
「調子に乗るな」って小突かれた
そんな事言われても調子に乗っちゃいますよ
仕事の鬼でも
ちゃんとフォローアップしてくださってるんだなって
だから頑張れちゃうんです
また、しごでき部下とか言われたいな…なんて
その日の就業後、確認メールだけ終わらせたくて
オフィスで残っていたら外出していた部長が戻って来た
「あれ?部長、直帰じゃなかったんですか?」
「いや、まだ残ってるだろうなって思ったから」
「へ?私がですか?」
「うん、真咲の仕事スピードなら与えた分、このくらいで終わらせるんだろうなって」
「え、計算して仕事振ったんですか?」
「当たりだろ?◯◯の件まで終わらせたんじゃねぇの?」
「えっと……そうですけど、何でわかっちゃうんですか」
「ほら、コレ」
「えっ……??」
