
脳内ショートストーリー
第3章 【真咲莉緒と伊藤蒼真〜上司と部下の恋〜】
「……勘違い、じゃないです」
「違うの?じゃあ…もっと抱き締めて良い?」
「……はい」
ヤバい……触れてるところ全部、火照るように熱い
ギュッと抱き締められて改めて部長は男の人なんだと
思った
筋肉質な身体……スーツを着てても伝わってくる
「真咲、顔上げて?」
「……無理です、絶対変な顔してる」
「変じゃないよ、いつも可愛いって」
「茶化さないでくださいよ」
「顔見たいんだよ」
「さっき見たじゃないですか」
「そのさっきより可愛い顔になってんだろ?」
顎クイは卑怯です……
さっと目を逸らしても顔ごと向かせられる
「マジで他の奴には見せたくない…今の真咲」
泣きそうな顔してるのに見せるわけないでしょ
肩まで伸びた髪を耳に掛けてくれる
いつも見上げる位置にある顔が
デスクに腰掛けているから少し低くてめっちゃ近い…
手……さりげなく握られた
「誰にも取られたくない部下はどうしたら良いんだろうな?」
「え…?」
「言い直す、誰にも取られたくないの、真咲の事……だから、どうしたら良い?」
ドキッとした
逸らせない視線……捕らわれちゃった
「ずっと仕事振るのも、近くに置いておく為だった」
「……めちゃくちゃ私情挟んできてるじゃないですか」
「だよな……だから本当は、憧れてもらえる立場じゃないんだよな、俺」
「もう憧れてません」
「……だよな」
もう、わかってよ…と言いたいところだけど
ちゃんと伝えなきゃって思ってる
「憧れなんか通り越しちゃって、もし勘違いじゃなければ、今…口説かれてる?って思って期待しちゃってるんですけど」
「え…?」
自分からも言うつもりだけど、
やっぱり部長からもちゃんと聞きたいです
私の事、どう思ってますか…?
