テキストサイズ

夜這い

第3章 忍込み

行くと決めたら、もうやめるという選択肢はなかった。

僕は、2階に行くための階段を、慎重に物音を立てずゆっくり静かに時間をかけて登り、妹の部屋の前まで来ると、ふすまは閉まっている。階段と廊下に電気はあるが、つけて明るくするのは恐ろしいので、つけなかった。

僕は、立ったまま中に入ると目立つと思い、しゃがんで少しだけふすまを開けて中の様子を伺った。真っ暗でよく見えない。妹が既にしっかり眠っているかどうか分からない時点で持ってきた小さなライトを照らすのは危険だ。

しばらくそのままの姿勢で待った。5分くらいそのまま待っただろうか。

物音はしない。

恐る恐るもう少しふすまを横にずらして開けてみると、幸いふすまの開く音はまったくしない。しゃがんだまま入れるくらいふすまを開けて中に入った。そして、ふすまを閉めた。

部屋の中は真っ暗で何も見えない。真っ暗の中、ベッドのある方へ音を立てずに四つん這いで移動し、手探りでベッドの横まで来た。

正直、この時点で妹がまだ眠っていなかったらと思うと恐ろしいが、それを上回る性欲が僕を引き返らせようとはしなかった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ