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夜這い

第3章 忍込み

僕は、そのまま息を殺してベットに寝ている妹の体に注意を払った。小さなライトを手で覆ってベッドの下の方で試しにつけてみると、薄暗い明りなので妹が目を閉じていれば気付かれない明るさだと思った。そのまま、その薄暗い明かりでベッドを照らすと妹の位置が確認できた。向こう(壁側)を向いて横になって寝ているようだ。顔がこちらに向いていないのは、初めてイタズラをしにきた僕にとってはありがたかった。

耳を澄ますと妹の規則正しい寝息が聞こえる。どうやら眠っているようだ。

ただ、僕はここで自分の浅はかさを痛感した。妹が眠っているとはいえ、この状態から気付かれずに服を脱がして裸を見ることなどとうていできそうにない。服を脱がそうとあれこれしているうちに気付かれるに決まっているからだ。

眠っている人の裸を気付かれずに見るということは、非常に困難だということを、まだ何もしていないのにこのとき初めて分かった。妹が起きてバレてしまったら、両親に話されたら、僕はどうなるんだろう?そこまで考えたら、この部屋の中にいること自体、今更ながら相当ヤバいことだと思えた。

僕は、性欲と、バレたときの事態を天秤にかけ、ここまで来て動けなくなってしまった。


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