テキストサイズ

雑用係の伊能さんは、鬼上司に認められたい

第1章 雑用係の伊能さん【雪side】

 第一印象は厳しそう……だった。なんだかすごいオーラを纏った人が来たなぁと。小笠原課長が挨拶したあと、シーンとなっちゃったし、空気が張り詰めてる。


「早速だが、一人一人声をかけるので、各自仕事を進めてくれ」


 小笠原課長がそう言うと、みんな急いでデスクに着席して仕事を始めた。カタカタとパソコンの音だけがオフィス内に響く。私もメモ用紙作りの続きを始めていると、小笠原課長が私のデスクのそばで止まった。


「君は一体何をしてるんだ?」

「私ですか? メモ作りです!」

「え?」

「え?」


 小笠原課長は冷たい目で私を見下ろし、無言で圧力をかけてきた。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ