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雑用係の伊能さんは、鬼上司に認められたい

第1章 雑用係の伊能さん【雪side】

「そんなのは今することじゃないだろう。君の仕事はなんだ?」


 私は小笠原課長の言葉にムッとして、


「いえ……お言葉ですが、小笠原課長。これが私の仕事なんです! 私は雑用係なので!」


 と、ビシッと言う自分を想像した。残念ながらそんなことを言う勇気は私にはない。


「あ、あのぉ……小笠原課長、彼女は雑用係でして、そのために採用したって、前の課長が言ってました」


 なんと、隣に座っている女子社員がフォローしてくれた。確か名前は冴木さんで、最近中途入社で入ってきたんだよね。あとで御礼言おう。


「雑用係だと? 一体どういうことだ、それは」


 小笠原課長が私をジロリと睨んできて、私は心の中で「ひぃぃ!」と叫んだ。



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