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お嬢様は騎士に恋をする

第2章 大人とは一体なんですか

「2人共、ケンカをするのならば今日のお出かけは中止にいたしまくね」
「え」

笑顔でそうピシャリと言い放つと、ジュンとレインお兄様は気まずそうにお互いを見た後反省したようで私を申し訳なさそうに見てきたので許す事にした。

「申し訳ございませんマーリャ様」
「ごめんね、マーリャ。さぁ、そろそろ行かないと時間が無くなってしまうね」

そう言いつつも手を離す気配の無い両人を見て、恋人繋ぎなのはもう我慢するしかないと決意した。

「楽しみです!今日はよろしくね、ジュン」
「マーリャ様の為ならなんでも致しますよ」
「っ……その触り方辞めてってっ……!」

改めて護衛をよろしく頼みますという意味を込めてジュンを見ると、指を絡めてどこか甘い触れ方をされて叱責するも聞いていないのか手の甲に口付けまでする始末。

それを見ていたお兄様は諌めるどころか先程よりもぎゅっと握る手に力を込めてきて少し痛い。その痛みに反応してお兄様を恐る恐る見ると、冷たい笑顔でジュンを見ている事が分かった。

「ジュン。街中ではそのような事はしないように」
「……レイン様こそその手を離されては?」
「はぁ……やっぱり辞めようかな、お出かけ」

またしても一触即発、という所で私がぽつりと呟くと2人は慌てて私のご機嫌を取ってきた。その後はケンカが起きそうになると私の一言で辞める、というのを繰り返して何とか1日を終える事が出来た。

「お疲れ様でした、お嬢様」
「ありがとうリリス。後はもう寝るだけだから、戻っていいわよ」
「それでは失礼します。おやすみなさいませ、良い夢を」

寝る準備も整い、後はベッドに入るだけとなったのでリリスを返すといつもの挨拶をしてリリスは部屋を出た。
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