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お嬢様は騎士に恋をする

第1章  память

それから3年。私とジュンは18歳となった。未だに私に婚約話が来る事は無く、このままでは行き遅れとなってしまう。

「マーリャ様。俺と婚約しましょう」
「ジュン?何を言っているの?」

何故こんな状況になってもお父様達は何も言わないのか疑問で仕方なかったけれど、それはすぐに分かる事となる。

「マーリャ。お前は跡を継ぐ必要が無いのだから好きな相手と結婚すると良い」
「お父様……?」
「ジュンなんかどうだ?マーリャを大事にしてくれるだろう」

そう言ったきり部屋を出てしまったお父様。その時に私は何となく気づいてしまった。

ジュンがお父様に何か言ったのでは。ここまでされたら私に拒否権など無いのかもしれない。

私はどうにかこの話を無かった事にしようとする事になる。……のだが、それは上手くいかないのだった。

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