テキストサイズ

お嬢様は騎士に恋をする

第2章 大人とは一体なんですか

「っ!お嬢様こちらにいらっしゃったのですね」
「ジュン!聞きたい事があるのだけれど」
「お嬢様からのご質問であればいくらでもお答えしますよ」

何処から現れたのかタイミング良くジュンが声を掛けてきた。これ幸いとばかりに聞こうと思ったが、前方からレインお兄様が歩いて来るのを見つけてしまった。

「レインお兄様!」
「マーリャ。おはよう、今日も可愛いな」
「ふふっ……お兄様は今日も優しいです」

思わず駆け寄ると、お兄様は私を抱きとめて頭を撫でてくれる。私はお兄様とのこの時間が大好きで、時間さえあれば甘えてしまう。それは長くは続かないのだけれど。

「……レイン様。いい加減マーリャ様から離れていただけますか?」
「マーリャがしたいようにさせるのが仕事だろう?ジュン」

必ず間にジュンが入ってきてお兄様と一触即発になるのだ。確かに私も18歳。いつまでもこの様な言動ではいけない気もする。しかし、私の言い分としては家の中でしかしていないのだからいいだろうと言うものだ。

「マーリャ様も、いい加減大人になりましょうね」
「……はい」
「マーリャ、家と外で分別は着いているんだから大丈夫だよ」

お兄様は私のしたいようにさせてくれる。それはジュンもそういう時もあるけど、基本的には止められてしまう。それが騎士の仕事と言ったらそれまでだけど、危険な事は何もしていないのに駄目だと言われる事の方が多い。

大人ってなんだろう。もう18歳なのに、まだそれが分からない私は子供なのかな。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ