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お嬢様は騎士に恋をする

第2章 大人とは一体なんですか

朝食時。今日はお父様のみがお仕事で居ないようで、お母様とレインお兄様と私の3人での朝食となった。

「マーリャは今日も可愛らしいですね」
「ありがとうございますお母様。リリスに整えてもらいました」

お母様からも褒められて上機嫌の私を周りの者達は優しく見守ってくれる。どうやら私はお母様似のようで、度々「若い頃の奥様そっくり」と言われる事がある。そんな容姿を誇らしく思っている。

「お嬢様、本日は特に予定もございませんので──」
「それなら俺と街に行こうか」
「よろしいのですか?レインお兄様……」
「ちっ……」

ジュンが予定が無いと言った瞬間、レインお兄様からお出かけのお誘いがあった。その瞬間ジュンの方から何か聞こえた気がしたけれど、私としてはお兄様が忙しい中そう言ってくださった事に有難いやら申し訳ないやらで。

「いいんだよ。マーリャと息抜きに出掛けたくてね」
「では……お願いいたしますレインお兄様」
「俺も勿論行きますからね?マーリャ様の騎士ですので」

息抜きに、と言われてしまえば断る理由も無い。しかし、ジュンも来るのは仕方ないけれど雰囲気悪くならないかな。そこが心配の要素である。

「ジュン。レインお兄様と仲良くね?」
「……かしこまりました」

今の間は何。不安でしかないよ。

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