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リーニエント

第3章 リンデンビバーナム



「まって……待って!口止め料……貰って良い?」


無意識に口走っていたらしい。
自身でも驚いた様子で、慌てて両手を口元に当てた。
脅迫者である彼女は葉染 莢花(ようぞめ さやか)。
食べるの大好き、性格は少し大雑把な女子生徒。

「やっぱり、そう来るんだ……良いよ。何が望み?」

脅迫を受けるも、平然として応えた男子生徒。
津住 友哉(つずみ ともや)は英国系クォーターで、モデル顔負けの日本人離れした顔立ちとスタイル。
ただその場に立つだけで、周囲の目を引いてしまう魅力を持っていた。

モテないわけがない。
かく言う莢花もその一人であった。

脅迫した本人がふるると左右に頭を振るうも、早く言えとばかりに無言で詰め寄る。
美人の凄みは天成のものなのだろうか。
何処か迫力が桁違いである。
莢花は身を縮ませ目線を落とすと、自身が組む両手を見つめた。


「あの、あのね……」


――さっきの、二人みたいな事……して欲しい



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