
クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。
第18章 刹那の秘密
刹那のバイクに乗って、自宅まで送ってもらう莉子。
エンジンを切ってサイドスタンドを降ろす。
莉子は刹那の肩を借りて地面に降り立った。
刹那はヘルメットを外しサイドミラーに被せて、乱れた髪を手櫛で撫でる。
「刹那くん、何かあった?」
「……大したことじゃないんだけど」
「なになに?」
「班行動がビーチにならなくて良かった」
「やっぱり、ビーチに行くの嫌そうだったよね」
「はは、ダダ漏れじゃん」
「でも、どうして?」
「……今見せるよ」
「見せるってなにを?」
刹那はブレザーを脱いでバイクに引っ掛け、ワイシャツの裾を出して捲り上げる。
「え、えっ、刹那くん?」
刹那は背中を向けて見せた。
「……ひどい傷、痛そう」
背中の左半分に大きな火傷の痕。
シャツを降ろし刹那は淡々と話し始める。
「痛くはないけど、酷いだろ?……あまり見せたくなくて」
「そうだね、見られたくないよね。……怪我のせいで学校休んでたの?」
「……たぶん」
「たぶん?」
「……オレさ、事故前の記憶がないんだ」
刹那は恥ずかしいのを誤魔化すように手で頭を掻いた。
「えっ、それって……」
莉子はあまりの衝撃に返す言葉が見つからなかった。
「俗にいう記憶喪失」
莉子は思わず刹那の顔を見た。
そういうと刹那は煙草を咥えて火をつけ、煙と共に長い息を吐く。
莉子は今までの刹那の発言に納得することを思い出していた。
『覚えてない』刹那くんはそう言ってた。
風邪をひいて看病したとき、私は風邪をひくとプリンを食べたくなるって話たとき、刹那くんは「覚えてない」って言ってた。
進路を決められないのも、勉強のやり方が分からないのも、記憶がないから『覚えてない』んだ。
「そっか、だから刹那くんは学校が楽しいのね」
『オレ最近学校楽しいんだ』
二人で勉強会をしようと企画した日、刹那くんはそう言ってた。
刹那くん、ずっと孤独だったんじゃないのかな。
過去の記憶をなくして
友だちも家族のことも覚えてない
そんなの辛すぎるよ……。
彼の複雑な心境を思うと、莉子の目から涙がボロボロこぼれ落ちていた。
「えっ、なんで泣いてるの?」
「……分からない。でも、すごく悲しい」
刹那は自分の代わりに泣いてくれている莉子に自分の胸を貸した。
エンジンを切ってサイドスタンドを降ろす。
莉子は刹那の肩を借りて地面に降り立った。
刹那はヘルメットを外しサイドミラーに被せて、乱れた髪を手櫛で撫でる。
「刹那くん、何かあった?」
「……大したことじゃないんだけど」
「なになに?」
「班行動がビーチにならなくて良かった」
「やっぱり、ビーチに行くの嫌そうだったよね」
「はは、ダダ漏れじゃん」
「でも、どうして?」
「……今見せるよ」
「見せるってなにを?」
刹那はブレザーを脱いでバイクに引っ掛け、ワイシャツの裾を出して捲り上げる。
「え、えっ、刹那くん?」
刹那は背中を向けて見せた。
「……ひどい傷、痛そう」
背中の左半分に大きな火傷の痕。
シャツを降ろし刹那は淡々と話し始める。
「痛くはないけど、酷いだろ?……あまり見せたくなくて」
「そうだね、見られたくないよね。……怪我のせいで学校休んでたの?」
「……たぶん」
「たぶん?」
「……オレさ、事故前の記憶がないんだ」
刹那は恥ずかしいのを誤魔化すように手で頭を掻いた。
「えっ、それって……」
莉子はあまりの衝撃に返す言葉が見つからなかった。
「俗にいう記憶喪失」
莉子は思わず刹那の顔を見た。
そういうと刹那は煙草を咥えて火をつけ、煙と共に長い息を吐く。
莉子は今までの刹那の発言に納得することを思い出していた。
『覚えてない』刹那くんはそう言ってた。
風邪をひいて看病したとき、私は風邪をひくとプリンを食べたくなるって話たとき、刹那くんは「覚えてない」って言ってた。
進路を決められないのも、勉強のやり方が分からないのも、記憶がないから『覚えてない』んだ。
「そっか、だから刹那くんは学校が楽しいのね」
『オレ最近学校楽しいんだ』
二人で勉強会をしようと企画した日、刹那くんはそう言ってた。
刹那くん、ずっと孤独だったんじゃないのかな。
過去の記憶をなくして
友だちも家族のことも覚えてない
そんなの辛すぎるよ……。
彼の複雑な心境を思うと、莉子の目から涙がボロボロこぼれ落ちていた。
「えっ、なんで泣いてるの?」
「……分からない。でも、すごく悲しい」
刹那は自分の代わりに泣いてくれている莉子に自分の胸を貸した。

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