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ヨルノトバリひとりごと

第8章 興味がないやつほど売れと言う。

昨日、緻密なアート作品を作る人がテレビで紹介されていた。

その人はサラリーマンをしながら、深夜に創作。

トータル100時間以上かけて作品を制作していた。

それを見た家族①が、

「こんなに上手いんだから、作品を売ればいいのに」と言った。

……いや、買うの?

こういうことを言う人ほど、実際には買わないと思う。

仮に制作時間を時給1,000円で計算したら、100時間で10万円。

「じゃあ10万円で売ればいい」

となるけど、10万円払ってその作品を買うか?

たぶん買わない。

そして、売れたら売れたで、

「じゃあ、もう一個作って」

となる。

100時間かかりますけど?

同じクオリティーを保ったまま作れる?
量産できる?

注文が入ったら、それはもう「趣味の創作」ではなく「仕事」にならない?

その人は仲間と展示会も開催していた。

たぶん、そこには「利益を出す」以外の意味もあるんだと思う。

創作をしていない人からすると、

「上手い=売れる」
「売れる=収入になる」

と簡単に考えがちだけど、そんな単純な話じゃない。

制作時間から価格を計算することはできる。

でも、創作者本人がその価格で売りたいと思わなければ成立しない。

私自身の経験則では、芸術や創作で「儲けよう」「制作費を元取ろう」と考え始めると、だんだん苦しくなる。

材料費だけ回収する。……最低限だな。
かけた時間を、そのまま価格に乗せることもできない。
かといって、時間を無視するのも違う。
私には、創作者の時間を安く買い叩かれているように感じてしまう。

そもそも売らない。結果ここに至る。

それも創作のひとつの形だと思っている。

100時間かけたから10万円。

1時間で作ったから1,000円。

そんな時給計算で芸術が成立するなら、創作者はみんなタイムカードを押してから絵を描いている。

そうした創作側の苦労を何も知らずに、

「売ればいいのに」と簡単にいう前に、
実際「それを買うのか?」を一度考えてほしい。
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